新型インフルエンザのワクチン

新型インフルのワクチン、4割以上が「接種せず」? 米国

疾病対策センターCDC)は安全性を強調し、国民に接種を呼びかけているが、副作用などを心配して「受けたくない」と考えている人は4割以上に上るとの報告もある。

新型インフルワクチン接種に賛否両論

11月2日発表された新聞紙上のアンケートではわずか1割近い人しかワクチン接種を考えておらず、またワクチンの安全性と有効性を疑問視する医師もいる。

両国ともにアンケート対象者の近親者が感染したら意見も変わると思う。でも、アメリカは既に大きな被害が出ており、世界屈指の医療製薬大国であるにもかかわらず、こういった認識であるというのは、日本人とは考え方に違いがあるように思う。

日本人に対して同様のアンケートを取ると、国民の大多数が「接種したい」という結果になるような気がする(違っていたらごめんなさい)。そう思う理由としては、こんなことを考えている。


1. 「研究機関によるデータ」を鵜呑みにしやすく、「政府が言っているのだから間違いない」という国民性。
2. 国産品に対する高い信頼性。
3. メディアがワクチンを疑問視する報道をしない。
4.一方でワクチンが足りないという報道が繰り返されるため、「早く接種しなきゃ(しかも国産を!)」と焦る気持ちが高まっている。


1.国民性について

普段は政治家や官僚の言うことなど信じないが、国民の安全や健康に関することについては別で、このことについては彼らは真実を語っている・・・というのは、ちょっと都合が良すぎるのではないかしらん。
アメリカでは研究者や政府高官が安全性を繰り返し言っているにもかかわらず、国民はそれを信じていない。他人の実験をそのまま鵜呑みにしないという、国民総研究者目線とでもいうものがあるのかもしれない。あるいは、アメリカにはそもそも自分のことは自分で守るという文化・社会があり、だから自分の目で確認したものしか信じないのかもしれない。あるいは政府というのは嘘をつくものだ、という

むしろ欧米の権威モノに弱い日本人の方が「アメリカの最高クラスの研究機関が行った実験結果」を、無条件に信じてしまうような気がする。


4.ワクチン不足について

言い方は悪いかもしれないが、製薬会社にとって新型インフルエンザは稼ぎどき。そのため、世界的大企業がせっせとワクチンを作っている。

日本はどこから輸入するんだろう?と思って調べてみたら、グラクソ・スミスクライン(英)とノバルティス(スイス)らしい。

世界の医薬品メーカーランキング2007 決算期版によれば、グラクソ・スミスクライン(GSK)は世界3位、ノバルティスは5位。
日本最大の武田(17位)2社3社分の大きなところが競争していて、そして各国政府に売っている。ワクチンを米政府から受注した英・アストラゼネカ(6位)は、これが収益に寄与して通期見通しを上方修正していたりする。GSKは日本を含む22の政府から受注しているそうで、こちらの業績も凄いことになるのだろう。

一方、日本でワクチンを作っているのは、北里研究所(東京・港)と化学及血清療法研究所(熊本市)、デンカ生研(東京・中央)、阪大微生物病研究会(大阪府吹田市)。

そりゃあ、技術力は素晴らしいのだろうけど、大会社のもっと大きなラインを動かせば、もっともっと作れるわけでしょう(デンカ生研は武田の子会社であり、化学及血清療法研究所はGSKと共同研究しているそうだが)。そうしたら、ワクチン不足という事態にはならないんじゃないかな・・・。
で、日本一の武田は何をやってるのかといえば、

武田薬品と第一三共が国内ワクチン開発に本腰(本文読めない)

うーん、10月はじめから開始ですか。
逆に、今頃から開始してどうするんだろう。武田は販売権を獲ったので商売出来そうだけど、第一三共・・・ワクチンが出来たときには流行が終わっていた、なんてことにならなければいいけれど。(治療薬については、塩野義が先行している模様


12月15日追記>
日本の製薬会社は、依然迷走中・・・。
国内製薬各社、ワクチン事業に本腰 撤退の流れ一転