見た映画
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兄が母親に怒り、子供を怒鳴りつけ、友人宅で囲碁を気もそぞろに打つ場面。父が踏切を忘れて物思いにふける場面。女子二人が海岸を歩く場面。「今が一番いいときかもしれないな」そして、「こうしてみんな離れていく、そんなもんだよ」というセリフ。また、怒鳴られた子が弟を連れて海へ行き、バカヤローッ!と叫ぶ後ろで、弟は立ち小便をしている場面や、妹に結婚の気があるのかどうかを尋ねる場面、さらにケーキや、友人の母が登場する全ての場面などでのユーモア。
小津映画の核となるのは家族を互いに思いやる気持ちであり、そのための手段としてこの時代には対話があった。
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進め方と順番が思ったとおりでないために、頑固なお父さんは素直に祝福することが出来ない。盛大に祝ってやろうと考えていたのに、娘のことがもちろん大事なのに、全てがスムーズに出来なくなってしまった。娘は幸せなんだろうけど、何となく割り切れない。そういう気持ち。古い時代と新しい時代の合間の、昭和33年の映画。
詩吟の場面は難しい。夫に従いつつ、芯の強さを持った、お母さん(田中絹代)の演技が素晴らしかった。