さん喬→喬太郎

4/10放送、BS11、「柳家喬太郎の粋ダネ!」より。
ゲストは、番組ホスト・柳家喬太郎の師匠、柳家さん喬


Q. 師匠から見た喬太郎さんは、どんな噺家さんですか?

喬太郎という噺家は、20年に一度出るか出ないかの芸人であることは確かなんですね。で、それは才能・・・であることは確かなんです。
ただ、私から見ると・・・才能に・・・おぼれそうなときが、多々あるんですね。


古典落語が、彼は好きなんです。とっても好きなんです。新作落語より古典落語の方が好きなことは分かってるんです。
でも、ニーズに応えちゃったがために新作落語をやらざるを得なくなって、それでまた、それで自分は今、スター・・・というと彼は嫌がるでしょうけど、スターダムにのしあがったわけですね。

でも、新作がなかったら、おそらく古典だけだったら、彼はないです。正直言って、ないです。他にもっと上手いのはいくらでもいますから、古典落語には。


ただ、彼は今、新作で自分が世の中に出たことを武器にして、新しいものに取り組める、その位置にいるんですね。ですから、この位置を絶対逃さないで、それも古典落語に活かしてもらえれば、と思います。

発想することが大変に得意な男ですから、古典落語を演じるんでも、すごい発想力があるから・・・ 


あと、まあ、本音を言ったらあれですけど・・・とにかく、彼は僕のライバルですから。本当に、ライバルですよ。(喬太郎、恐縮しきり)

「こいつに負けたくないな」と思うときと、「あ、こいつに勝ったな」と思うことが多々あるんですね。これは本音、テレビで本音なんか言っちゃいけないのかもしれないけど、それは事実です。
だから、彼が挫折するのが嫌なんです。ライバルだから。


喬太郎、コメントを求められるが、しばし絶句。その後「・・・挫折は、しそうですね、わからないけど」)

あのね、挫折はすると思いますよ、誰でも。まあ、魚住さん(司会アナ)もいろんなお仕事の上で、挫折感は、お考えになったことがあると思いますが・・・*1でも、挫折を乗り越えさせてくれるのは、仕事や人ですよね。


ですから、彼にもそういう挫折を乗り越えることのできるような・・・もし挫折を感じた時にね、いい仲間といい仕事があれば、絶対乗り越えられると思うんですよね。

挫折を一人だけでしょいこんだら、それは挫折で終わっちゃうんですよね。


転んだときは、やっぱり立たなきゃいけない。


「ライバルだから挫折して欲しくない」という言い回しで、弟子の成長を願う気持ちを語った師匠・さん喬。質問されたこと全てに真面目に答えており、その人柄がひしひしと伝わってきた。弟子が多いのも頷けるというものだ。

*1:番組の最後には魚住アナに向かって「ご無礼なことを言って申し訳ないです」と頭を下げていた。