最近見た映画

太陽を盗んだ男

太陽を盗んだ男 [DVD]

太陽を盗んだ男 [DVD]

プルトニウムを盗んで原爆を作った化学教師が、警察に突きつけた要求は・・・「野球放送を最後まで見せろ」「ローリング・ストーンズを日本に呼べ」。
沢田研二菅原文太のリアルファイト。なぜ、どうして、といった理屈の判断は客に任せて、どんどんテンポよく進んでいく。なんだか分からない不条理さと、細かいところに気を付けた緻密な描写を、同じ階層に並べた怪作。真面目にふざけた映画。


東京物語

東京物語 [DVD] COS-024

東京物語 [DVD] COS-024

両親が、子どもたちが暮らしている東京に遊びに来た。はじめは歓迎されたが、みんな仕事が忙しいそうで、戦死した息子の嫁に世話を押し付ける。「いつまでいるんだろうねえ」と囁き合い、ほんの数日ですっかり迷惑そう。ただ一人、嫁だけが親切に尽くす。観光に連れて行き、家に招き、心尽くしのもてなしをする。本当の子供じゃない嫁が、一番親切だ。

世代間に流れる時間が違っていることが、よーーーく分かる。人は成長すると親から離れ、自分の世界を作り、そこを中心として生きていく。思ったとおりにはいかないけれど、「まあ、幸せな方だろうなぁ」と満足する両親。この妥協した満足に至るためには失敗を多く目撃(経験)しなければならず、年輪が必要だ。小津安二郎の代表作。


秋刀魚の味

秋刀魚の味 [VHS]

秋刀魚の味 [VHS]

妻に先立たれ、長男は独立し、娘が家を切り盛りしている主人公一家。同窓会で出会った当時の先生は、娘を嫁にやりそびれてしまい、「わしは失敗した」と嘆きに嘆く。同級生は若い妻をもらって闊達である。誰彼から「おまえも先生みたいになるぞ」といわれ、娘の婿探しを始めるが・・・。

先生の嘆きは重いが、大人たちは深入りはせず、自分の生活に反映させる。これは「やれば必ず出来る」高度成長期時代の日本の姿かと思う。岩下志麻、娘時代の作品。岸田今日子もバーでの名シーンを演出。東野英治郎はむかしっからお爺さんだ。


お早う

お早よう [DVD]

お早よう [DVD]

父親から「男の子のくせにうるさいぞ」と怒られた長男は、「大人だって無駄なことばっかり言ってるじゃないか!おはようございます、いい天気ですね、そうですね、って!」と反対に怒って、ストライキを決行する。弟を道連れにして、もう二度と、絶対に誰ともしゃべらないことに決めた。

長男の幼い反抗期と、次男の素朴な表情が笑わせるホームコメディ。「無駄が大事。無駄があるから世の中はうまく流れていく」


スラムドッグ$ミリオネア

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

スラムドッグ$ミリオネア [DVD]

町のパワーバランスは時として動く。強い方に上手くついていく兄と、ひとつの方向だけを向いた弟。シンプルな目的のためのシンプルな行動は、いつの時代も力強いメッセージになる。この映画では変わりゆくインドが背景で生き生きと映えている。それが表現されているのは、電車から蹴落とされても、すぐに乗り込むというシーン。ルールと常識にしばられた大人の間をすり抜けて自由に生きる子供たち。最下層のスラム街の生活だが、子どもたちは強い。日本でも原爆投下数日後には、子どもたちは瓦礫で遊んでいたそうだし、この生命力が未来を作る。
トレインスポッティング」を思い出さずには入られない、音楽と逃走。アクション映画ばりの細かな編集、原色の街・インド。テレビ番組を下敷きにしたストーリーは日本で放送されていないことが多く困ることもままあるが、この「ミリオネア」は日本人でも大丈夫。なにしろwikipediaによれば100カ国以上で放送されていたそうだ。


かあちゃん

かあちゃん [DVD]

かあちゃん [DVD]

冒頭のシーンは古典落語の「出来心」。また食べるための泥棒が起居を許され、そこの娘さんと・・・な展開は同じく古典の「甲府い」。市川崑らしい怪しげな照明は、サスペンスフルでしかなく、穏やかな人情噺には不向きだと思う。


そのほか、
アイ、ロボット


ハンコック

映画「Mr&Mrsスミス」と似た印象。


20世紀少年第2章

20世紀少年(第2章) 最後の希望 通常版 [DVD]

20世紀少年(第2章) 最後の希望 通常版 [DVD]


アンフェア the movie

アンフェア the movie [DVD]

アンフェア the movie [DVD]

しかし、腕を撃たれて足を引きずるって。